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【地鎮祭】
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【丁張り】
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まず地鎮祭が吉日を選んで行われます。お供物など地鎮祭の主な段取りは、施工業者がとることが多い。神主さんへのお礼は施主の負担が常識的です。一升(1.8リットル)程度のお酒も用意すべきだと思います。地鎮祭は決して豪華に行う必要はありませんが、最初に工事の安全を共にお祈りすることですから、簡素な中にも段取り良く、丁寧に行うことが大切でしょう。施工業者の質も地鎮祭の行われ方によく表われます。
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地鎮祭が済むと、次は丁張りを行います。これは敷地に建物の外壁の芯、あるいは外柱の位置を、木杭と細縄で示して、実際に建物の位置を敷地の中で確認する作業です。
図面上では気付かなかった支障が生ずることがあります。建物の位置をずらすこともあります。現場(敷地)で最終的な建物の位置を、丁張りで確認することは大切なことです。 |
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【基礎工事】
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【建て方】 | ||||||
建物の、まさに文字通りに基礎となる大切な工事です。基礎の梁の寸法に合せて、地盤を掘ります。これは「掘り方」と呼ばれています。掘り方で、地中梁(基礎梁)の深さまで掘られた地盤の状態を再確認することが大切です。表面上、堅固に見える地盤も、下部は思わぬ軟弱地盤ということもあります。もし地盤が軟弱な時には、基礎の大きさを変更したり、地盤改良を行って、不等沈下などの防止に努めます。
当事務所の設計した物件で、今だに御施主さんに御迷惑をおかけしているものがあります。表面上、きれいに整地された土地でしたが、整地以前に大樹があり、その株の掘り穴が隠されたままで気付かず、(見た限りでは気付きませんでした)不等沈下を起こしました。ひょっとして、昔の井戸跡かも知れません。整地前の土地の状態を調べておくのも大切なことです。 掘り方が終れば、基礎梁の配筋が施工されます。図面通りの梁巾、梁高、鉄筋量の検査を行い、コンクリートが打設され、基礎が完成します。プレハヴ工法では、基礎梁もプレハヴ化されているものもあります。そのような工法の時には、接合部(ジョイント部)の検査が仕様書通りに施工されているかが重要になります。 |
基礎が完成すれば、柱を建て梁を架けます。これを「建て方」工事といいます。プレハヴ工法の場合は、軽量鉄骨など、そのメーカー毎に、柱、梁部材は構造計算された部品で組み立てられてゆきます。公的機関により、建築評定を受けていますから安心です。但し、その強度はどの程度の地震力で評定を受けているか確かめる必要はあるでしょう。ツーバイフォー工法も同様な評定を受けているはずで安心です。ただし、ツーバイフォー工法は、壁量(1u当たり何cm)により、耐震度が決まりますから、壁(耐震壁)量をよく検討することが大切です。
在来工法の場合は、構造用の柱(通し柱やすじかい受け柱)が、そのまま化粧柱として使用されることもあり、建て方前に使用される木材の検査をすることが大切です。太さ、乾燥期間、割れ、節数、樹種等よく確認して下さい。コンクリート造に関しては、この紙面で語れる範囲を越えていますので、設計士によく聞くしかないでしょう。 ※強度計算も、特に地震力の計算はメーカー毎に異なります。何ガルで構造計算されているかよく確かめる必要があります。 |
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【建て前・棟上式】
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建て方完了時に、「建て前・棟上式」の儀式があります。これは、その土地の風習により千差万別です。都市部では最近はあまり見受けられません。昔、白川郷のカヤのふきかえなどのように近隣の人々のお手伝いによって、建物が完成した名残りとも言えます。ただ、建築工期の中間点であり、今までのお礼と今後の工事のスムーズな運びの為に、施工者とより一層コミュニケーションを図る為にも、簡単でも行った方が良いと思われます。当然、経費は施主持ちです。
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【外部・内部仕上げ】
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建て前が終れば、いよいよ外部、内部の仕上げ工事に移ります。プレハヴ工法は、その材質の程度など仕様書がしっかりしていますから、指定したものと同様のものであるか確認すれば、あとは色彩や柄といったデザイン性が重要となります。 壁紙などは小さなサンプルで選びますから、広い面積になった時、想像以上に薄く感じるものや、濃く感じるものがありますので注意して選択する必要があります。特に柄物は少し地味めのものを選ぶと、思っていたような雰囲気のものになります。 吹き付け材の色見本、タイル見本は少し大きめ(90cm四角程度)に作って確認するとよいでしょう。 インテリアと外観についてS邸を参考に少し書きましょう。 玄関は家の顔とも言える空間です。長時間人がいる所ではありませんが、来客者にその家の第一印象を与える場でもありますから、暖房の効率など住みやすさよりも、吹き抜け、トップライトなど少し思い切った空間演出が大切でしょう。 S邸の玄関ホール(写真)は、階段室も兼ねていますので、少し広めのゆったりしたスペースをとることができました。土間は、グレーのみかげ石張りです。一段上がった左手和室の広縁に続く床も、ベージュの大理石張りとし、少し土間の雰囲気を出しました。 壁は2mの高さまで、温かみのある石張り(トラバーティン)としました。天井面まで石張りにしますと、やはり重く感じますし、他の材質と対比させた方が石の質感がより一層引き立つでしょう。石張りの上部、吹き抜けとなっている壁、天井はシンプルな仕上げにしてあります。 玄関メインホールは床、天井とも木を利用し、石張りの壁の冷たさを和らげるようにしました。また、天井はモチーフとなっている曲面でデザインしてあります。 吹き抜けの上部は、屋根からのトップライトがあり、昼間でも十分に自然光が玄関ホールに落ちます。このトップライトは直接光りが差し込まぬように、強化ガラスの上に、ビー玉を敷き並べてみました。ビー玉のフィルターを透かして拡散された光りは、面白い効果を出しています。 照明は、ポイントとなるものを二つほどつけ、そのほかは間接照明にして、全体の壁面をやわらかく照らし出すようにしてあります。光源の見えない明るい壁も、十分に照明としての機能を果たし、雰囲気の出るものです。 |
S邸の玄関ホール
壁は2mの高さまで石張りになつている |
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写真(右)はS邸を南東から写したものです。庭の樹木など外構工事は少し残っていますが、建物事体はほぼ完成したところです。 家の外観はやはり、一番気になるところで、大切なデザイン要素でもあります。特に屋根の形、材質は外観のイメージを決定する重要なものです。 S邸は、鋼製平板の一文字ぶきで、アクセントに瓦(かわら)棒を流してあります。勾配のある直線的な屋根も美しいのですが、どうしても堅い感じが強くなりがちなのと、周辺の田園的な風景を考慮して、少し曲面(むくり)を入れました。柔らかく、かつ内部の温かみのある充実感を、外に表現できればと思ったわけです。 外壁は、東側をはじめとして、バルコニー、テラス部分をコンクリートの打ち放しとし、その他をタイル張りとしまし た。コンクリートの打ち放しは現代的な外観をつくり出しますが、表面の発水剤の使用や、雨水の垂れないディテールなど気をつけないと、汚れが付着しがちで、完成時の美しさを長時間保ちにくくなりますから注意してください。 |
S邸 |
【完成・引渡し】
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建築が完成すると業者立ち会いのもとで、完成検査が行われます。汚れや傷など細かな部分の手直し、給湯器や空調機の試運転など、日常生活が快適に営まれるようにするためのものです。 完成検査後、建物は施主に引き渡されます。引き渡しの時、機器類の保証書、各工事ごとの下請け業者の名簿、コンクリート強度表など保管しやすいようにファイルしてもらうことが大切です。 |
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