台所・食堂で3.3u当たり約65万円

次に平均的な住宅の室ごとのおおよその1u単価を調べてみましょう。

述べ床面積が132u(約40坪)の住宅を例にとります。木造二階建て、屋根はカラーベスト同等品、外壁はサイディングの横貼り一部タイル貼り、標準カラーサッシで雨戸、網戸付き、二階には鋼製のバルコニー付きとします。

内装は、床がフロア貼り、壁・天井はビニールクロスとします。和室は8畳2間で、一方には床の間付きとします。

外構工事は含まず、総予算は2千万円とします。3.3u(1坪)単価は50万円ということです。

まず給排水設備、家具、備品、和室の内装を除いた3.3u当たり単価は37万円程度となります。つまり、子供室など標準的な室は照明設備を含んで3.3u当たり37万円程度でできるということです。

台所・食堂は、流し台(簡単なシステムキッチン)、食卓カウンターなどの備品と給排水設備のため、12畳程度で350万円〜370万円かかります。3.3u当たり65万円ということです。和室も内装にかかりますから、3.3u当たり58万円ほどになります。

風呂、脱衣洗面所は、化粧台、ユニットバスなど備品が集中しますので、3.3u当たり105万円程度となります。平方メートル単価というよりも、標準的な備品、スペースであれば、170万円〜190万円かかると思っていたほうがわかりやすいでしょう。

便所は浄化槽を含みますと1ヵ所57万円ほどかかります。もし1ヵ所追加しますと、30万円ほどアップすると考えられます。

玄関もまた、玄関収納家具や床タイル、玄関扉などにより3.3u当たり62万円〜65万円ほどかかります。

このように台所、風呂などは平方メートルに関係なく、ある程度必要な金額が固定されます。延べ床面積を子供室、納戸などで30uほど増やした時は330万円程度の増加となり、3.3u当たりの単価は47万円と少し下がりますし、20u程床面積を減らしても225万円程度の減にしかならず、3.3u当たりの単価は53万円程度にアップします。

基本的に必要な備品と、内外装の程度をしっかりと予算化し、余裕の資金をどこに使うか、また、足りない資金をどこで補うかが建築費の予算立てのポイントです。単なる平方メートル単価にとらわれないようにして下さい。