「南東玄関のプラン」では、玄関と二階への階段の位置の難しさを書きました。また、台所・食堂を朝日の当たる東側にとりにくいこともわかっていただけたと思います。その点北玄関は平面計画がしやすいといえます。北玄関の参考例を考えてみましょう。

このプランは、玄関と階段を北中央にとることができます。階段へのアプローチである廊下は、そのまま玄関ホールとしても機能し、動線もきわめて短く、合理的に玄関と階段を配置することが出来ます。

また、明るい南側に東から食堂、居間、和室と連続させて配置することも可能となります。3つの部屋を一体として広く使用することもできますし、和室を客間として独立的に使用することも可能です。

南東玄関プランに比べて、東側の余裕も多く、テラスが十分にとれます。樹木の植えられたテラスは、食堂に楽しさを与えますし、バーベキューパーティーなどにも利用できるでしょう。

勝手口も、ガレージとともに、便利な位置にとることができます。階段を中心に、一・二階とも短距離で各室に連絡でき、そのぶん廊下面積も少なくてすみ、合理的な間取りが可能となります。

南東玄関プランに比べて、同じ延べ床面積であっても、4畳半程度の広さが余分にとれることになります。但し、北側玄関になる敷地は南側に他人の敷地がありがちで、冬の日当りに支障をきたすことがよくあります。その点を十分に注意すべきでしょう。